本の虫
私は「本の虫で」、忙しいと言いながら本屋さんに行くことだけは欠かしませんし、手元に読む本がないと駅のホームでも本を買ってしまうくらい「活字中毒」なのです。
本の虫(2014年1月)
このページも更新は久しぶりです。年の初めに10冊ご紹介します。
詩集 わが涙滂々 小島 力著 西田書店
「原発に故郷を追われて」と、福島県葛尾村に住んでいた著者は、妻と一緒に子どもたちの住む東京に避難しています。石川逸子さんや蒲田慧さんも言葉を寄せています。
小さな建築 隅 研吾著 岩波新書
書店でタイトルを見て、ビックリしました。帯には「震災後、建築をゼロから問い直した」と。著者は建設中の豊島区役所新庁舎の設計者です。49階建て分譲マンションの9階までが区役所という設計、高層ビルです。大丈夫なのでしょうかねぇ。
「ホームレス」襲撃事件と子どもたち 北村年子著 太郎次郎社エディタス
「いじめの連鎖を断つために」と副題があります。野宿者襲撃は、学校でのいじめの延長線上あると、子どもたちにとって居心地の良い家庭や学校、社会こそが「home」と訴えています。
日本国憲法の初心 鈴木琢磨 編著 七つ森書館
毎日新聞編集委員である鈴木さんから「路傍の石」の著者である山本有三の「竹」という本のお話を偶然聞きました。そして、「山本有三の『竹』を読む」という副題のついた表題の本になりました。必読です。
世界と闘う「読書術」思想を越える1000冊 佐高信・佐藤優 著 岩波新書
知的センス抜群、というより「本物のインテリ」の二人の対談本を読むと、もっと本を読まねば!と思います。
教育委員会 何が問題か 新藤宗幸 著 岩波新書
教育委員会については、様々なところから改革が言われています。著者は行政学の専門家として著名な人です。地域で支え合う「学び舎」としての学校を実現するための提案が示されています。
はじめてのマルクス 鎌倉孝夫・佐藤優 著 金曜日
私は、「資本論」は恐れ多くて読んでいません。2人の対談で「資本論」を読み解く・・なかなか難しいのですが、少しはわかった気がします。
ロスジェネの逆襲 池井戸潤 著 ダイヤモンド社
池井戸潤の小説は片っぱしから読んでいました。実に面白い。いつの間にかテレビドラマになっていましたが、テレビは見ていません。銀行そしてミドル世代の状況など、なかなかリアルなイメージです。
13歳からの拉致問題 蓮池 透著 かもがわ出版
「弟と家族の物語」と副題があるように、拉致問題解決のために、若い世代に「拉致」を知ってもらいたいと著者は書いています。蓮池さんの講演をお聞きし、そのときに購入した本です。
成長から成熟へ さよなら経済大国 天野祐吉著 集英社新書
毎週、新聞のコラムが楽しみでした。天野さんの目から見た広告は、目から鱗でした。穏やかな笑顔から出てくる言葉は厳しい。亡くなられて残念です。
本の虫 2012年 年の瀬
ずいぶんと更新しませんでした。読まない日は無いのですが、忙しい日々です。本は借りずに買ってしまうので、本の置き場所が厳しくなってきました。処分を考えねばならなくなっていますが、手放すのも寂しいものです。今回は8冊です。
戦後史の正体 孫崎 享著 創元社
ベストセラーです。孫崎さんは集会の講師などで「引っ張りだこ」のようです。外務省官僚・防衛大学教授だった著者が「米国からの圧力」を書くのは、すごいですね。
原発はいらない 小出 裕章著 幻冬舎ルネッサンス新書
3・11以後、京都大学原子炉実験所の小出さんが有名になりました。専門家だからこそ原発の危険をわかり易く書いています。著者は「原発問題は差別問題」ということを強く言っています。原発作業員は下請けばかりで、実際に被ばくしていることは、電気を享受している人、電力会社の人などと違う。差別の構造にあると・・その通りですね。
オレたち花のバブル組 池井戸 潤著 文春文庫
著者の本を読むきっかけは、ジュンク堂で「佐高信書店」が開催されたとき、並んでいたからです。銀行の、銀行で働くミドルの実態が伝わります。一人の著者の本を読み始めると、すべて読むのが私の常。「課つる底なき」「架空通貨」「仇敵」「銀行総務命令」・・・たくさん読みました。
ビブリア古書堂の事件手帖1~3 三上 延著 メディアワークス文庫
「本屋がすすめる本」ということで手に取りました。「事件手帖」とサスペンス風ですが、ゆったりとした時間が流れる本です。
消費増税亡国論 植草一秀著 飛鳥新社
著者は、小泉・竹中路線を徹底して批判し、社会的に抹殺されました。しかし頑張っています。必読です。
どんとこい、貧困! 湯浅 誠著 イーストプレス
貧困問題に取り組んできた著者。給与所得で年収200万円以下が1000万人。生活保護受給者が212万人を超え、格差社会が定着しそうです。著者の役割は大きいです。
私たちは幸せになるために生まれてきた 朴 慶南著 毎日新聞社
いつも明るい慶南さん。「願生 願って生まれ、願って生きる」と、大きな字でサインをいただきました。ポジティブに生きる元気をもらえる本です。
メディアの仕掛け人、徳間康快 飲水思源 佐高 信著 金曜日
タイトルは「井戸の水を飲むときは掘った人を思え」という意味だそうです。「清濁併せ飲む」というのは、徳間のような人を言うのだろうと思います。読み応えがあります。
2013年5月21日